2016年4月11日

 昨日は東京から福島を日帰り往復。忙しかった。

 福島駅に着く頃、ふと思い出したのが、福島はいまが桜の季節だということ。予定より早めの新幹線に乗ってしまったので、それなら桜を観に行こうと思った。この5年間、福島に通いつめたけれど、一度も訪れることのなかった花見山に行けるじゃん。

 ということで、この写真。すごいですね。人出もすごかったけど。

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 花見山公園というから、自治体が管理している公園かと思っていたら、民間の農家が所有しているんですね。ご迷惑をおかけしないようにしなくちゃ。

 3.11から2年少し経った頃、『あの日からもずっと、福島・渡利で子育てしています』という本を刊行しました。この本の帯に、2012年2月、当時3歳でさくら保育園に通っていた娘さんが語った言葉があります。

 「ずっーと前に、お山を散歩したよ。お友だちと一緒に葉っぱもひろったんだ。今、お山は行けないんだよ」

 この山って、保育園の裏山のことです。そうやって山を登ることがなくなったためか、植樹のために花見山にやってきたとき、その娘さんがなかなか山道を歩けなかったことが本に書かれています。娘さん、だいぶ大きくなったと思うけど、どうしてるかな。

 昼間は岩瀬書店主催で白井聡さんの講演会。そして午後5時から、甲状腺問題で執筆をお願いしているお医者さんとの相談。

 そのお医者さん、ずっと広島で被爆者医療をやってきて、最後は大学を卒業した福島でゆっくりと過ごそうとしたんですね。そしたら3.11があって、ゆっくりどころの話ではなくなりました。だけど、そういう経験は、福島だからこそ求められたわけです。

 広島の被爆者に関わっては、広島にいた当時も、そしていまもなお、裁判闘争の中心にいます。そして現在、福島の被爆者の裁判にも関わっておられます。

 そういう経験があるから、広島と福島の両方を、情熱をもって、同時に医者としての冷静な目で、見ることができると思います。3.11の直後に知り合って、尊敬しています。

 その先生が、昨日、福島の現状について、こう言っておられました。
 「小さな線量、大きな被害」

 福島の放射線量は小さい。広島と比較すれば格段に小さい。線量が小さければ、人体に与える影響もそれに応じたものになる。だけど、被害というのは、人体に与えるものだけでなく、もっと広範囲に捉えないとダメだ。そういう見地に立つと、福島の被害は大きいということです。

 まだ本になるかどうかは分からないけれど、今月末、もう一回お会いして、何時間かまとまってお話を伺うことになりました。がんばらなくちゃ。