2013年7月4日

この間、関西のいくつかの県のマルクス経済学者の集まり行き、お願いしたことがある。なぜ関西かといえば、ある信頼する人から、「そんなことを関東でやっても相手にされない」と言われたからなんだけどね。

「そんなこと」というのは、こんなことである。近代経済学者と共闘して本が出せないのかということだ。

憲法9条をめぐっては、そういう本を出してきた。いわゆる旧来の護憲派だけでやっていては広がりがないと感じて、防衛省とか自衛隊の幹部とかにもウィングを広げて本をつくってきた。その経験を通じて、こういう人なら信頼できるという基準なんかも、自分なりにつかんできた。

いま、そういう共同が、経済社会の分野でも必要だと感じる。だって、相手の側は、アベノミクスとかいって、これまで政府寄りでやってきた主流の近経学者だって切り捨て、猪突猛進である。だから、これまで論敵だった人だって、理解し合える部分が増えていると思うのだ。

金融学界なんていう超政府系学者の集まりでも、最近の学界では、日銀の黒田総裁が招かれたりしているそうだ。そういうところでも、白川さんが放逐されたということで、これまで主流派としてやってきた人びとの反発も大きいはずだ。

ところがですよ、ある集まりに行って、こう言われた。そんな問題意識はもってこなかったし、だからそういう人脈もない……。

いや、ホントなんでしょうか。この日本の経済社会の苦境を打開しなければならないというのに、マル経の立場って、それでいいのでしょうか。自分の「正しさ」を仲間内で確認したって、日本国民のためになるんでしょうか。

この間、それなりにアベノミクス本を読んできましたが、近経の学者の本のなかにも、とても共感できるものがあったんです。だから、その人と対談できませんかとお願いしても、「彼(彼女)はマル経じゃない」と、そのことを問題にする人もいますし。

憲法9条にかかわることなら、自分でそれなりに分かる部分があるので、自分で判断して進められるんですが、経済はそういうわけにはいかない。一応、わたくし、一橋大学の社会学部を卒業した後、経済学部に学士入学したんですが、それは学生運動するためだったので、まじめに勉強していないしなあ。

マル経学者のみなさん。どなたか、問題意識が共有できませんか。近経学者と協力して本が書けませんか。関西じゃなくてもいいんです。月に一度は東京に来ていますし。

それとも、そういう問題意識が間違っているでしょうか。そうだというなら、ご指摘いただければ幸いです。