2013年7月22日

ということが、いま焦眉の課題であると思うのだ。参議院選挙の結果をみて、ほんとうにそう思う。

3年半前に自民党政権が倒れたのは、政権を変たいという国民の意思のあらわれであった。その結果、何十年も続いた政権であっても、本当に変えられることが分かった。だからこそ、昨年末、何の頼りにもならない民主党政権は、いとも簡単に見限られた。いま国民は、自分の力で政権交代ができると実感していて、そういう角度で政党を見ている。

今回、自民党が大勝したのは、ひとつにはアベノミクスへの期待があったからだ。これだけ長引く不況の中で、ずっと先行きが見通せない状態が続いてきたから、少し目先が変わって見えるアベノミクスには、すがるような気持ちがあっただろうと思う。

同時に、自民党にはTPPや改憲その他で不安はあるにしても、じゃあ政権をまかせる対抗軸として野党を見渡したとき、「この政党になら」というのも見えていなかった。比例代表の結果をみると、400万票台の「みんな」、500万票台の「共産」、600万票台の「維新」、700万票台の「民主」と分散しているのは、その結果だろう。

ここからどの党が抜けだして、3年後のダブル選挙(憲法国民投票とのトリプル?)で自民党の対抗軸になっていくのか。それを決めるのは、この間の経過からいっても、「政権」を担う意思と力があるかどうかだろう。橋下さんが政界再編をいうのも、政権にからまないと有権者から相手にされなくなるということは分かっているからだ。

だけど、「みんな」や「維新」は政策的な対抗軸を示せない。だから、政界再編話にしかならないのだけど、そろそろそれも賞味期限が来ているように思う。

政策的な対抗軸を示しているのは「共産」だけである(以上の4党に限っていえば)。問題は、3年後の「政権」への本気度として認知されるものになるかだ。何といっても、衆参ともに「一人区」で勝利しなければならないのだから。

しかも、たとえば護憲という課題をとってみても、「社民」とか「生活」などと一緒になるというレベルでは問題にならないことは、ますますはっきりしている。圧倒的な保守層とどう連携していくのかが、この問題でのキーポイントである。

護憲ということでいえば、それを明確に打ちだしている元自民党の国会議員がいる。TPPの問題では、農協の幹部がたくさんいる。民主党なんかは、政権をとるにあたって、医師会の代表などを擁立した。あるいは、私の世代を見渡すと、ちゃんと物事をまじめに考えている大企業の管理職とか、中央官庁の官僚も少なくない。防衛官僚だってそうだ。

実際、そういう方々のなかに、定年間際に退職して、政治の世界に飛び込んだかたもいる。自分の信念を裏切って大企業や官庁で最後まで仕事するのもつらいからね。

そういう方々を左翼が協力し合って擁立し、保守的な方々と気持ちがいっしょだということを示すことになれば、自民党と対抗できる大きな力になると感じる。どうだろうか。

もちろん、その場合、保守的な方々と政権をともにするのだから、政策のどこで一致するのかという問題が生まれてくる。たとえば、安保をただちに廃棄するということにはならないが、じゃあ、普天間をはじめ安保にかかわる課題に何を実現するのかということも考えねばならない。

やるべきことは多いなあ。出版には何が求められていくのだろうか。